ミクロの世界を見る道具
と言えば当然顕微鏡のことですね。
マクロな世界だけでなく、ミクロの世界も覗いてみたいと、2014年にビクセンのミクロナビという生物顕微鏡を買いました。
眼で見て感動すればカメラでも撮って残したい性分なので、撮影できるよう安定した光源付きのしっかりした顕微鏡を選んだつもりでした。
40倍から800倍までカバーできる機種でした。
しかし購入してすぐに使いづらさに悩まされた3つの点。
1、レンズがアクロマートで視野の中心しか使い物にならない。
2、ステージが固定で前後左右の微調整がやりにくい。
3、ピント調整が粗動だけで微調整がやりにくい。
2や3は購入前から想定していたものの、費用対効果の点で割り切ったつもりでした。
しかし1はよもやの想定以上でした。
アクロマートレンズなので色収差が出ることは覚悟していましたが、それを含めた収差が悪さをしてピントの範囲もすごく狭い。
眼で見て観察するだけなら、視野の中心部だけ明瞭ならそれでいいんですが、写真にすると全体を見てしまうので気になって仕方がありません。
白い写野が眼視の視界とすれば、おおざっぱですが真ん中の赤丸がアクロマートのピントが合う範囲。
正直これでは辛いです。
使いながらも撮影に適した機種を検討し、1年後に買い直す事にしました。
それまでに通院で懇意になった病院の検査室で、視野の隅々までフラットで色収差もない、プロが使う3眼の顕微鏡を覗かせてもらいました。
レンズは当然アポクロマートです。
しかし、カタログを見ると、1本の対物レンズだけで十数万から・・・倍率の違うレンズを複数揃え、もちろんそれに見合う本体もとなると、素人趣味の範囲では手が出せるものではありません。
定年退職まで勤務していた会社の取引先教材メーカーのカタログから、手の出せるぎりぎりの機種として選択したのがこれ。
きっちり1年後、すでに退職していましたが社員購入価格という了解を取り付けての購入でした。
40倍から600倍までと、ミクロナビに比べ倍率では若干劣りますが、眼視観察と撮影用の独立した接眼部がある機種で、微動の付いたメカニカルステージ、微動の付いたピントノブも確保。
そして肝心のレンズは、アポクロマートには手が届かないものの、アクロマートよりはいくぶん収差の少ないセミアポという選択でした。
上掲の視野画像でいえば、おおざっぱながら青丸の範囲なら我慢できるというレベルです。
先輩のミクロナビは・・・ヤフオクで新たなユーザーの元に行きました。
以来約5年、カメラの方はパナソニックのG2からG5、G7へと変わりましたが、過不足を感じることなく使い続けています。
新型コロナ禍で外出もままなりませんが、外は暖かくなって家の植え込みにも近くのガレージの隅にも大小の花が咲いています。
そろそろ顕微鏡の出番ですよ。
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こんにちは。
春の花の季節が始まったので、花粉の写真を楽しみにしていますよ。
私は仕事でときどき顕微鏡を使っていました。
でも覗きながらステージを動かしていると、酔ったように気持ちが悪くなってしまうのです。
悠々遊さんは大丈夫ですか?
投稿: やまねももんが | 2020年4月 8日 (水) 17時07分
顕微鏡楽しみにしてました!!私も天文と同じくらいミクロ世界が大好きです。ミジンコ見てるだけでご飯三杯はいける(笑)確かに顕微鏡と言えば色収差ってくらい、悩みの種ですね。接眼レンズも結構粗悪な物ありますし。
微動ピントや微動ステージは必須ですよ。カメラアダプタは専用ですか?我が家にもだいぶ前のレイマーの安物がありますが、コリメートできる汎用幅が狭くて、これも悩みの種でした。
もう季節終わっちゃいましたが、ツクシの胞子が飛び跳ねる動画を、悠々遊さんにぜひ撮っていただきたいです。
投稿: みゃお@ほんのり光房 | 2020年4月 8日 (水) 17時30分
悠々遊さん、こんばんは。
いよいよミクロワールドの再開!
いやぁ〜楽しみです。
でも梅雨時期のネタだと思っていたのですが、やっぱり花粉系は今の時期ですね。
クシャミが出そう!
(笑)
顕微鏡もレンズの性能で大きく変わってくるんですね。
天体もミクロも同じですね。
お天道様同様、コッチに足を突っ込むとやばいので、「悠々遊さん頼み」にしておきます。
コッチもファイトぉ〜!
投稿: layout3 | 2020年4月 8日 (水) 17時48分
やまねももんがさん、こんばんは
ここしばらく仕舞い込んでいたので、レンズにカビが出てないか心配だったんですが、無事でした(笑)。
エンジニアさんだと思っていたのですが、顕微鏡を使う仕事をされていたんですね。
覗きながらステージを動かすことに、幸い違和感はありません、大丈夫ですよ。
投稿: 悠々遊 | 2020年4月 8日 (水) 19時39分
みゃおさん、こんばんは
ここにも同好の志がいらっしゃいましたか(笑)。
カメラ、双眼鏡、望遠鏡に顕微鏡、これらすべてを好きな自分のことを「覗き趣味」と称しています(笑)。
購入するときおもちゃレベルは論外で、せめて昔小中学校の理科室にあったようなものを想定して、オリンパスやニコンを探したんですが、ニコンはこの分野から撤退しているようで、オリンパスも研究室レベルのものしか扱っていません。
そこで望遠鏡でおなじみのビクセンにしたんですが、認識が甘かった。
ただ、ミクロナビは手放しましたが、その時一緒に購入したカメラアダプタを、新たに購入のケニスの顕微鏡(DIN規格)に合わせて加工し使っています。
投稿: 悠々遊 | 2020年4月 8日 (水) 20時04分
layout3さん、こんばんは
梅雨時分の前に虫干しもかねて引っ張り出しました(笑)。
花粉症のlayout3さんには申し訳ないけれど、しばらくご辛抱ください(苦笑)。
望遠鏡よりも趣味人口の少ない分野なので、おもちゃレベルと研究室レベルの品質差が大きいですね。
今使っている、趣味レベルでは高性能の顕微鏡1台分が、大学の研究室や病院の検査室で使われている顕微鏡の、対物レンズ1個分にもならないと知った時には、愕然としたものです。
出来れば足を突っ込まないほうが・・・(苦笑)。
投稿: 悠々遊 | 2020年4月 8日 (水) 20時17分