明るい筒が欲しい、長い筒が欲しい、高感度カメラが欲しい・・・。
欲しい欲しい病に罹っても無い袖は振れないという事で、とりあえず手持ちの機材を活用できないか考えてみることに。
観望会で使う目的で買ったSky-WatcherのMAK127SP。
その後PCカメラで月や木星、土星の拡大撮影にも使うようになりましたが、今回それを視直径の小さな系外銀河や星団の直焦点撮影にも使えないか試してみることにしました。
それというのも我が家の主砲CAPRI-80EDは焦点距離560mm。直焦点ではM31やM45など一部の対象を除いて、豆粒より小さくしか写りません。手元の2倍バローレンズで焦点距離を伸ばせばF値がF14と暗くなります。それならいっそ口径127mm、焦点距離1500mm、F12のMAK127SPが使い物になるか試すのもいいかなと。
CAPRI-80EDに親亀子亀方式で固定しているオートガイドセットを、MAK127SPでも使えるようにするため、中華製の安いアルカスイス互換アリ溝アリ型セットを2セット購入し交換式に改造。購入したままほとんど使っていなかったマルチプレートに、MAK127SPとオートガイドセットを並列で載せ、準備が整ったところで快晴の3月6日の夜に試写を決行。
当日は月齢12手前の明るい月が夜空を照らす「満月期」の悪条件ですが、思い立ったら待てない性分なので、「どうせ住宅街の中での撮影、空が明るいのは宿命」と開き直りです(笑)。
試写の対象にしたのは、りょうけん座の子持ち銀河M51です。8等級の明るい銀河で見栄えもよいので、これまでも何度かCAPRI-80EDで撮っている対象です。
撮影場所の裏庭は空が狭く、最長でも2時間までの総露出時間しか取れません。いつも安全を見込んで1対象60分以内で収めるようにしています。MAK127SPはF値も暗いのでISO1600、露光120秒として撮影開始。
これ↑を30枚撮影してRAW現像、コンポジットして得られたのがこれ↓
8等級より明るい対象に限れば使えそうに思います(あくまで自分に甘い自己満足レベルとして)。
この夜はもうひとつ、M97フクロウ星雲にも筒を向けてみましたが、こちらは12等級のため厳しい結果です。
考えようによっては、ここまで写って儲けものかも(笑)。
ダークフレームは撮りましたがフラットフレームは撮らずソフト上で補正しています。撮る前から露光不足は想定していましたが、今回ノイズまみれは避けたいのでこの設定でした。しかし例えばISO3200、露光90秒×40枚=60分という選択もあるかもしれません。ISO1600に換算すると180秒×20枚なのでノイズが気になりますが、露光自体は5割増しになります・・・あまり変わらんか(苦笑)。
高感度域が高く設定できる最近のカメラなら、ISO6400程度でもノイズを気にせず撮れるのかな。誰かそんなカメラ貸してくださ~い。