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2018年7月

2018年7月 5日 (木)

絶対は絶対無いとは禅問答?

四輪の運転免許証を持たない私には無縁の話題かもしれませんが・・・。

今朝の新聞の片隅に、国交省が公表したデータとして、昨年1年間に自動ブレーキによる事故が82件あったとの記事が。

実際には自動ブレーキの不具合情報は340件あり、十分作動しなかったのが88件、勝手に作動したのが249件で、うち物損事故が81件、歩行者の死亡事故が1件とされている。

車の自動ブレーキといえば昨今話題の自動運転の前駆的装置で、2016年生産分の車の66.2%まで搭載が進んでいるとか。

目的地を告げれば、あとは車が自動で運転し、乗っている人間は寝ていても目的地に着ける、そんな時代がもうすぐ目の前まで来ていると、浮かれ気分に水を差すようなデータです。

科学技術の向上は日進月歩で目覚ましく、SFの世界と思われていたことが次々現実化している現代ですが、そこに潜む人間の慢心を指摘したような言葉が、この記事を見ていて思い出されました。

20歳前後のころ、安易に使った「絶対」という言葉に対し、職場の上司から「絶対という言葉は軽々しく使うな、人間のすることに絶対は無い」のひと言。

また、同一人物だったかは定かでありませんが、「人間は必ずミスをする。だからミスをしない仕組みを作ることが大事」との言葉は、今も自分の思考のベースになっています。

「絶対は絶対に無い」、「ミスは必ず起きるから、ミスが起きない仕組みが必要」。

どちらも禅問答のような言葉ですが、要は「全てにおいて常に謙虚であれ」という事だと解釈し、人間を考えるうえで真理だと思っています。

しかし、現代は(というより私たち人間は)すぐに慢心し、謙虚さを忘れてしまいがちのように思います。

人間は不完全だから、完全を求めて常に努力し、議論する謙虚さが必要であり、「絶対安全」、「絶対正しい」などと慢心すれば、もうその先に明るい未来はないのだと、「絶対に信じたい」(苦笑)。

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