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2015年1月10日 (土)

「言論テロ」について思うこと

始めに断っておきますが、いかなる暴力もこれを非難します。この「いかなる」には腕力・武力などの直接身体に加えられるものはもちろん、言論や差別など精神・信条に加えられる暴力も含みます。

つい最近フランスで悲惨なテロ行為が起きてしまいました。この事件についてマスコミは一斉に「言論テロ」と非難しており、言論の自由に対するテロ(暴力)行為と、世論のほとんどもそう感じていると思います。

しかし、私はこの「言論テロ」には2つの意味があると思っています。ひとつはもちろん上記のとおりですが、もうひとつは言論によるテロです。

民主主義の世界では表現の自由が錦の御旗のように扱われがちですが、果たして表現の自由は絶対正義でしょうか。民主主義の存立に表現の自由が欠かせないのは事実ですが、不可侵の聖域ではないと思います。

権力の横暴に対し名も無き弱者が声をあげる時、直接抗議・非難ではなく風刺や茶化し、皮肉りとして溜飲を下げるという効果はあるでしょう。大勢に対する少数派の表現としても大目に見る事が出来るかもしれません。でもそれが逆の場合だったらどうでしょうか。権力や大勢による少数弱者に向けられる行為であれば、それは一方的な「いじめ」であり言論による暴力にはなりませんか。

世界にイスラム教徒は15~18億人いるそうです。世界人口70億人の中でそれが多いのか少ないのかは分かりませんが、そのほとんどが貧しい国の貧しい人たちで占められているというのは、ニュースなどから容易に推測できます。またイスラム教は他宗教への改宗は一切認めないというのも最近知りました。

さて、生まれた時から貧しく差別された生活の中で、唯一イスラム教の教義を信じて生きてきた人に、フランスで発行されるムハマンド風刺はどう映るでしょうか。

肌の色や出自民族など本人の責任においては変えようも無い理由を口実に、差別や憎悪を煽る発言をヘイトスピーチといいますが、今回のフランスでのテロ行為のきっかけとなった新聞社のムハマンド風刺は、マスコミによる上から目線のヘイトスピーチになりませんか。

発行部数は4万部に満たないそうですし、反論反撃はテロではなく、同じくペンで行うべきだとの論調もあります。確かにその通りでしょう。しかしそれもやりかたによっては言論による暴力の応酬でしかなく、互いに憎悪を煽り続ける事になりませんか。

ひとつの表現に対し過敏に反応する人もいれば、ほとんど気にしない人もいます。どこまでが過激な表現で何がそうでないかの判断は難しいと思います。毒を全く含まない表現は事なかれになり表現自体の意義が無いかもしれません。

でも表現の自由を守ろうとするなら、売上部数の拡大や自己主張の満足感を得る目的ではなく、その表現内容を慎重に吟味する謙虚さが求められ、表現したからには責任を負う姿勢が求められると、私は思うのです。特にマスコミや、表現の発信を生業としている人たちには。

他者の発言に耳を貸さず一方的に非難し続けるのは、最大の暴力行為だと思いますし、テロもヘイトスピーチも、いろんなハラスメントも、結局相手を傷つけ憎しみを煽るだけですから。

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コメント

書き込み有難う御座いました。(レスは、当該記事のコメント欄に付けさせて貰いました。)

在日朝鮮人の人々に対して、耳を塞ぎたくなる様なレヴェルの罵詈雑言を浴びせ掛けている“在特会”。「何故、そんな事をするのだ?」という問い掛けに対し、彼等は「言論の自由だ。」と答える。

イスラム教を心から信じている人達にとっては、件の風刺は度を越した物と捉える可能性は在るだろうし、出版社に対して「野卑な言葉を投げ掛ける在特会と同じ感覚」を持ってしまうのも判らないでは無いです。

「風刺」というのは、アイロニカルな意識が必要では在りますが、特定の相手を侮蔑し、追い込んでしまうというのは駄目。イスラム教徒では無いので、今回の風刺が何の程度イスラム教徒を傷付けたのかを、完璧に理解は出来ないけれど、フランスでいうエスプリが、果たして適度な範囲で在ったのか?が問われるでしょうね。

>>giants-55さん、こんにちは
風刺にはアイロニカルな意識が必要・・・そうですね。チクリと相手の心に刺さる小さな棘や、一種の毒を含むことで風刺は成り立ちますね。
自分より強い、大きな相手に対し、正面からまともに戦えないからこその弱者の剣だと、私は捉えています。
日本では同じように「皮肉」の意味で使われるアイロニカルとシニカル。でも本来のニュアンスはちょっと違うようですね。
「シニカル」には「軽侮の念を持って、人の誠意を信じない、誠実さを感じない、自分勝手な動機で」の意味合いがあるそうです。
そう考えると、今回のテロの元になった風刺はアイロニカルなものではなく、シニカルなものだったようにも思えます。

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