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2011年6月18日 (土)

 品質の維持は誰のためか

 過剰品質という言葉を初めて耳にしたのは、昔勤めていた電気部品製造の会社でだった。求められている以上の品質を追求してもコストが掛かるだけで、要するに無意味で無駄な事という意味だった。強いて意味を見出すとすれば製造者の自己満足を満たすことだけか。
 トータルとしての製品の耐用年数が5年のところ、ある部品だけが10年とか7年の耐用年数を誇っても、その部品は過剰品質であって、その耐用年数の開発と維持に掛かるコストは、結局会社の経営を圧迫するか、消費者にしわ寄せさせられる事になる。誰も歓迎するところではない。

 福島第1原発の事故が発生して以来、放射線量の値がいろいろ取り沙汰されているが、これについて一番釈然としないのが安全とされる基準値の変遷。東電も政府も事故が起きる前までは、独自の安全基準値を国際水準よりも厳しい数値として安全性をアピールしてきたが、いざ事故が起きてみると漏れ出した放射線量の数値が上がるにつれて、安全とする基準値を緩めてきているのはなぜか。
 「これまでの基準値を下げても、それが国際的に通用している数値」と言われても、それなら今まで胸を張って公言してきた安全基準値は何のためのものだったのか。現実の事故に適用できない安全基準値に何の意味があるのか。過剰品質だったとでも言いたいのだろうか。

 ここ数年来の各政権と比べてみて、菅政権が野党やマスコミで叩かれているほど特にひどい政権だとは思っていないが、こと、この放射線の安全基準値の安易な引き下げだけはどうにも腹立たしい。市民運動出身の総理とは思えないこの行為には正直がっかりした。

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コメント

私も、かって、長年、電機会社の電子部品の購買仕入れをやってましたが、過剰品質は、結局、自分で自分の首をしめることなんですね。客先は、品質の良いモノを納品しても、口では感謝しますが、それがスタンダードになり、次回はその品質でないと満足しなくなります。今度はそれ以上の品質のモノを、前回より低い単価で要求してきます。

技術屋は得てして自分の力量を誇示したくて、要求される以上の結果を出したがります。そういう高みを目指すことは水準の維持として必要だと思いますが、現実の製品に反映させることとは別問題で、それをやってしまうと、仰るとおり自分で自分の首を絞めることになりますね。

東電も今、高い安全基準地を公言してきたことを後悔しているのでは? 厚顔無恥な連中ならそんなことも無いか。

書き込み有難う御座いました。(レスは当該記事のコメント欄に付けさせて貰いました。)

「過剰品質」の商品を提供し続けて来た事が、我が国を高度経済成長させた一要因では在ると思います。「此処迄高い品質を供給し得る日本って、侮れないなあ。」と各国に思わせただろうし。唯、其の「過剰品質」が時代の進行と共に、度を増し過ぎていったという面は在るでしょうね。機械類もそうですが、「見た目が余り良くないから。」等の理由から、味や安全性は何等代わりの無い野菜が売りに出されていない現実なんぞは、「勿体無い。」としか言い様が無い。

「放射線の安全基準値の安易な引き下げ」は、国民の不安を増させるだけ。確固たる裏付けが在った上での「安全基準値設定」で在るならば、安直に引き下げるべきでは無い。万が一、其の基準値を上回る結果が出たとしたら、冷静に其の事実を受け止め、発表すれば良い。又、国民の側も少々の上下で一喜一憂する事の無い様にしないといけない。「こんなにも放射量が上がっている!!」と家人が大騒ぎしていたけれど、良く良く過去のデータを検証すると、「3月11日以前の平均値の方が高かった。」なんてケースも在ったし。

仰るとおり、品質へのこだわりが日本の技術水準を押し上げ、信頼を勝ち取ってきたのは紛れもない事実でしょうね。ただ、高い技術力を追求することと、それを要求される品質に反映させることとはちょっと違うように思います。

要求されている品質をより高い技術力で実現するのは、歩留まりを向上させることにもつながり、安定した供給でコストを下げるといえましょう。逆に、要求以上の品質で応えることは、その分製造コストが高くついてしまい、無駄な努力といえるのではないでしょうか。

よく、数字が一人歩きをしているといわれますが、放射線量があれこれ取り沙汰されている現状はまさにそれですね。ブレない安全基準値を示してこなかったことが、不安を煽ってこういう事態になったのでしょう。

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